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BtoB SaaSマーケが教えるLP制作の外注先選び|発注後に苦労しない判断軸

「LPを早く作りたいけれど、制作会社は30万円超で予算オーバー、クラウドソーシングは品質と当たり外れが不安」。BtoB SaaSのマーケを担当していると、この場面に何度も遭遇します。

私自身、業務委託先や過去の事業会社で複数のLPを内製・外注しながら、何度か「発注後に苦労する地獄」を経験してきました。安く頼めたはずが、ディレクションのやり取りで本業の時間を圧迫し、納期も遅れ、上がってきたものは想像と違う——という流れです。

結論から言うと、LP制作の外注先は「価格と用途」で3層に分けるのが現実的です。3〜15万円帯のシンプルなLPはスキルマーケット、15〜25万円のCVR重視LPは特化型のフリーランス、25万円以上の戦略提案込みは制作会社という使い分けです。

この記事では、GA4 / BigQuery / AB testing でLPのCVR改善を実務で回してきた立場から、「公開後に数字が動くLPを誰に頼むべきか」を解説します。「どこが安いか」ではなく、「発注後に苦労せず、公開後に成果が出る発注先はどこか」が本記事のテーマです。

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結論:LP制作の外注先は「価格×用途」で3層に分ける

先に結論を出します。LP1枚を外注する場合、価格帯と用途で発注先を3層に分けて使い分けるのが、コストとリスクのバランス上もっとも合理的です。

  • 3〜15万円帯(シンプルLP・スピード重視):スキルマーケット系(ココナラなど)の中堅クリエイター
  • 15〜25万円帯(CVR重視・データ分析を前提):LP制作に特化したフリーランスを直接契約
  • 25万円以上(戦略提案・運用伴走込み):制作会社

このうち、本記事で深掘りするのは5〜15万円帯のスキルマーケット活用です。理由は3つあります。

  1. ほとんどのBtoB SaaSスタートアップが、最初に直面する価格帯がここ。シリーズA前後の予算規模では、25万円超の制作会社案件は稟議が通りにくい。
  2. レビューと過去取引数で、クリエイターの実力を事前に見極められる。これは個人発注やコネ案件にはない圧倒的な利点。
  3. 取引完了まで支払いがエスクローされる。クラウドソーシング初心者がもっとも警戒する「お金を払ったのに納品されない」リスクが構造的にゼロ。

具体的なサービスとしてはココナラのWeb制作カテゴリが、この価格帯では国内最大級の選択肢を提供しています。

では、ここからは4タイプの発注先を比較しながら、それぞれの強みと向き不向きを具体的に見ていきます。


LP制作 外注先4タイプの比較表

主要な選択肢を4タイプに整理し、7つの軸で比較します。

比較軸スキルマーケット(ココナラ等)クラウドソーシング(ランサーズ・CW)特化型フリーランス直契約制作会社
LP1枚の相場3〜15万円5〜20万円15〜30万円25〜80万円
品質のばらつき大(レビューで見極め可)小(実力者を選定済み)
最短納期3〜7日7〜14日14〜21日30〜60日
ディレクション工数中(自社で持つ必要)大(要件定義から自社)小(プロが補完)極小(PMが整理)
修正対応の柔軟性○(取引内2回程度)△(追加料金多い)◎(契約内)
公開後の改善対応×(基本は単発)×◎(継続契約しやすい)○(運用契約あり)
適性案件規模個人〜30人企業個人〜50人企業10〜100人企業50人以上の企業
※価格・納期は2026年時点の市場相場の目安。実際の見積もりは案件規模・要件により変動します。

この表だけでも、自社のフェーズと予算に合う選択肢が大体絞れるはずです。多くのBtoB SaaSスタートアップにとって、まず候補になるのはスキルマーケットと特化型フリーランス直契約の2つです。


各サービスの詳細レビュー

スキルマーケット系(ココナラ)

こんな人におすすめ:5〜15万円の予算で、シンプルなLPを早く作りたい人。複数案を比較してから決めたい人。

ココナラは個人のスキルを売買するスキルマーケットで、Web制作・LP制作カテゴリには数千人のクリエイターが登録しています。サービスごとに料金・納期・実績数・レビューが公開されているため、発注前に実力を見極めやすいのが最大の特徴です。

取引はサービス購入→要件確認のメッセージ往復→制作→修正→納品→評価、という流れで進みます。支払いは購入時にエスクロー(取引完了まで運営側が預かる)されるため、納品されないリスクが構造的に排除されています。これがクラウドソーシング初心者にとって精神的に大きい利点です。

料金プラン

  • シンプルLP(テンプレ寄り、1スクロール):3〜5万円
  • 標準的な縦長LP(5〜7セクション、ファーストビュー強め):6〜12万円
  • こだわりLP(オリジナルデザイン、アニメーション含む):12〜25万円

この価格はクリエイターの実績ランクに比例しており、ランクが上のクリエイターほど納期が短く、ディレクション負荷も低い傾向があります。安価なクリエイターを選んで「結局自分が要件定義から教えるハメになって時給換算で赤字」となるパターンは、何度か見てきました。

強み

  • レビュー数で実力を事前検証できる:取引完了数、評価平均、コメント内容で見極めが可能。レビュー50件・評価4.9以上のクリエイターは、実質ハズレが少ない
  • 支払いがエスクロー方式:「払ったのに納品されない」「途中で連絡が消える」リスクが排除されている
  • マーケット内競争で価格が適正化されている:個人発注で起こりがちな「相場感のなさによるボッタクリ」が起きにくい
  • 初回相談・見積もりが無料で取れる:取引前にメッセージで要件を擦り合わせられるため、発注ミスマッチを発注前に検知できる

弱み

  • クリエイターの実力に幅がある:トップ層は制作会社のシニアデザイナー級だが、入門層もいる。レビューを見ずに価格だけで選ぶと事故る
  • ディレクションは原則として発注側が持つ:「LPの目的とKPIから一緒に設計してください」型の依頼は受けてくれるクリエイターが少ない(できる人もいる、要相談)
  • 公開後の改善・運用は単発契約の枠外:CVR改善のためのAB testingや継続的な修正は別途依頼が必要

マーケ実務目線でのコメント

事業会社マーケとしての本音を書きます。

スキルマーケット発注でもっとも重要なのは「発注前のメッセージ往復」です。サービス購入前の段階で、こちらの目的(KGI・KPI)、ターゲット顧客、参考LP3つ、絶対に外せない要素、を整理して送ります。これに対して的確に質問が返ってくるクリエイターは、実装段階でも信頼できます。逆にここで「お任せします」「まずデザイン案出します」型の返答が来た場合は、依頼を見送るのが安全です。

もう一つ、見落とされがちなチェックポイントがあります。「過去納品物のCVRや成果数値を聞いてみる」ことです。多くのクリエイターは「デザインの完成度」で評価されてきており、公開後の数字までトラッキングしている人は少数派です。数字で会話できるクリエイターは希少で、価格は少し高くなりますが、CVR重視のLPでは結果的に投資回収が早いです。

クラウドソーシング系(ランサーズ・クラウドワークス)

こんな人におすすめ:要件定義を自社で固めた上で、コンペ形式で複数案を比較したい人。

ランサーズ・クラウドワークスは、登録クリエイター数で言えば国内最大規模のプラットフォームです。「コンペ形式」で発注できるのが大きな違いで、要件を提示して10〜30案の提案を集め、その中から選ぶ運用が可能です。

ただしBtoB SaaSのLP案件では、コンペ形式は機能しにくい場面が多いと感じています。理由は、デザインの良し悪しよりも事業ロジックや顧客理解が優先される領域だからです。30案集まっても「事業を理解した提案」はせいぜい1〜2案、というのがよくあるパターンです。

向く場面・向かない場面

  • 向く:ロゴ、バナー、シンプルなチラシなど、ビジュアル単発で完結する案件
  • 向かない:BtoB SaaSのLP、複雑な事業ロジックを反映する必要がある案件

特化型フリーランスを直接契約

こんな人におすすめ:CVR最大化を本気で狙う、15〜25万円の予算がある、公開後の改善も継続したい人。

X(旧Twitter)やWantedly、note 経由で見つかる「LP制作×CRO」を専門領域とするフリーランスです。多くは制作会社の出身か、事業会社のマーケ職経験者で、「公開して終わり」ではなく「数字を動かす」ところまで関心を持っています。

料金は1案件 15〜30万円が中心ですが、その対価としてヒアリング・競合調査・構成設計・コピーライティング・デザイン・実装まで一気通貫で進めてくれます。BtoB SaaSのCVR改善案件では、私はこの層の方をもっとも信頼しています。

見極めポイント

  • 過去納品物のCVRや改善実績を、数字で語れるか
  • 「デザインを納品して終わり」ではなく、AB testingまで設計提案してくれるか
  • BtoB SaaS の業務理解があるか(B2C案件しか経験ない人だと、稟議や複数意思決定者を意識した構成にならない)

制作会社

こんな人におすすめ:50人以上の規模で、戦略策定からPM・デザイン・実装・運用まで一気通貫で外部に任せたい人。

制作会社の強みは「PMが入ってプロジェクトを進めてくれる」点に尽きます。複数のステークホルダー調整、要件の整理、納期管理、品質保証まで担うため、発注側のディレクション工数はもっとも軽くなります。

一方で、価格はLP1枚で25〜80万円が標準。シリーズA前後のスタートアップでは予算的に厳しい場面が多く、「次の1枚」を発注するハードルも高い。

個人的な使い分けとして、事業の根幹に関わる「主力LP」のみ制作会社、運用上で派生する複数のサブLPはスキルマーケットや特化型フリーランス、というハイブリッド運用が現実的だと考えています。


規模・用途別の選び方ガイド

4タイプを紹介してきましたが、自社のフェーズと用途で選び方が変わります。具体的なシナリオで整理します。

フェーズ別の選び方

  • 個人事業主・1人スタートアップ(LP予算3万円以下):スキルマーケットの入門〜中堅クラスのテンプレ寄り案件。完璧を求めず、まずは公開して反応を見るフェーズ
  • シードスタートアップ(LP予算5〜15万円):スキルマーケットの中堅クリエイター。実績50件・評価4.8以上を目安に。本記事のメインターゲット層
  • シリーズA以降(LP予算15〜30万円):特化型フリーランス直契約、もしくはスキルマーケットの上位クリエイター。CVR改善まで視野に入れる
  • 50人超の企業(LP予算30万円〜):制作会社、もしくは専属契約に近いフリーランスチーム

用途別の選び方

  • 新規プロダクトの初回ローンチLP:特化型フリーランス(戦略から伴走してもらえる)
  • 広告キャンペーン用の派生LP(短期使い切り):スキルマーケット中堅クラス
  • CVR改善が目的の刷新LP:特化型フリーランス、もしくはCVR改善経験のあるスキルマーケット上位クリエイター
  • ロゴ・バナー単発:スキルマーケットで十分
  • 複数LP・複数キャンペーンの並列運用:スキルマーケットを基盤に、戦略の核は特化型フリーランス

スキルマーケットでの発注手順

本記事のメインターゲットである「シードスタートアップ・スキルマーケット活用」を前提に、実際の発注フローを整理します。

ステップ1:要件を1ページの資料にまとめる(30分)

発注前に必ず作るべき資料です。Google ドキュメントやFigJam で、以下を1ページに収めます。

  • サービス名・URL・概要(3行)
  • このLPの目的とKPI(CVRの目標値、想定流入経路)
  • ターゲットペルソナ(職種・課題・購買権限)
  • 「絶対に伝えたい」3つの価値訴求
  • 参考にしたいLP(自社サービスではなく、構成・トンマナの参考)3つ
  • 避けたい表現・デザイン
  • 納期・予算・修正回数の希望

この資料は発注先選定後にもそのまま渡せるので、結果的に時間を節約できます。

ステップ2:3〜5名のクリエイターに事前相談(無料)

カテゴリページから、レビュー数・評価・実績・ポートフォリオで気になる3〜5名を選び、サービス購入前のメッセージ機能で要件を送ります。

このステップでは「料金見積もり」よりも、返信内容の質を見ます。要件に対して的確な質問を返してくる人、過去類似案件の経験を共有してくれる人は、実装段階でも信頼できます。

ステップ3:1名に絞り、サービスを購入

事前相談の結果から1名を選び、対応するサービスを購入します。料金はこの時点でエスクロー(運営に預けられた状態)になり、取引完了までクリエイター側には支払われません。

ステップ4:制作・修正のやり取り

標準的なLP制作では、ワイヤーフレーム → デザイン → コーディング → 修正 という流れで進みます。修正は2回程度がサービス料金内に含まれているケースが多く、超過分は追加料金となります。

ステップ5:納品・取引完了

納品物の確認後、取引完了の操作をするとエスクロー解除されてクリエイター側に支払われます。同時に、相互レビューを書き合います。

よくある躓きポイント

  • 要件の曖昧さで初稿が大幅にズレる → ステップ1の資料を丁寧に作ることで90%回避可能
  • 修正回数の超過 → サービス購入前に「想定修正回数」をすり合わせる
  • 納品物の著作権・使用範囲 → 取引前にクリエイターと確認(特に商用利用・二次配布)

よくある質問

Q. ココナラとランサーズ、どちらが安いですか?

LP制作に限れば、価格レンジはほぼ同水準です。ただし運用思想が異なり、ココナラは「サービスを買う」発想、ランサーズは「コンペで複数案を集める」発想です。BtoB SaaSのLPでは前者の方がディレクション工数が軽く済む傾向があります。

Q. LP制作の相場はいくらですか?

1枚あたりで、シンプルLP 3〜5万円、標準的なLP 6〜15万円、CVR重視のLP 15〜25万円、戦略提案込みの制作会社案件 25万円以上、というのが現在の市場感です。

Q. 失敗しないクリエイターの見分け方は?

3つの基準で見ています。①レビュー数50件以上・評価4.8以上、②ポートフォリオに自分の業界(BtoB SaaS等)の類似案件がある、③事前相談メッセージで要件に的確な質問を返してくる。この3つを満たすクリエイターは、ハズレが極めて少ないです。

Q. 修正対応は何回までしてもらえますか?

サービスごとに異なりますが、ココナラの標準的なLP制作サービスでは、軽微な修正2〜3回までが料金内、それ以降は追加料金、というケースが多いです。発注前にサービス説明文や事前相談メッセージで確認してください。

Q. 公開後のCVR改善も依頼できますか?

スキルマーケットの単発案件としては、原則「制作して納品まで」がスコープです。継続的なCVR改善・AB testing 設計までを依頼したい場合は、特化型フリーランスとの月額契約や、社内マーケ担当(または計測支援のコンサル)との組み合わせが現実的です。

Q. 著作権はどう扱われますか?

ココナラの場合、原則として納品物の使用権は購入者に渡りますが、著作権そのものはクリエイター側に残るのが一般的です。商用利用、二次利用(テンプレ化して別案件で再利用するなど)、第三者への譲渡については、取引前に必ず明示的に確認してください。

Q. 個人情報・秘密保持はどうなりますか?

NDA(秘密保持契約)を別途結べるかは、クリエイター個別の判断になります。BtoB SaaSの未公開機能や顧客データを含む案件では、事前にNDA対応可否を確認することが必須です。NDA対応を明記しているクリエイターを優先する、という選び方もあります。

Q. WordPressの設置やドメイン設定もやってもらえますか?

多くのクリエイターはコーディング納品(HTML/CSS/JS)までを標準とし、サーバー設置は別オプションです。LP公開先がWordPressやSTUDIOなど特定のCMSの場合は、サービス内容欄に「WordPressへの設置含む」と記載があるクリエイターを選ぶか、追加料金で依頼するのが安全です。


まとめ:迷ったら「価格×用途」の3層で考える

LP制作の外注先選びは、結局のところ自社のフェーズと予算、そして「何を求めるか(スピードか、CVR最大化か、戦略含めた伴走か)」で答えが変わります。本記事の結論をもう一度整理します。

  • 3〜15万円帯:スキルマーケットの中堅クリエイター(実績50件・評価4.8以上)
  • 15〜25万円帯:特化型フリーランスの直契約(CVR改善まで伴走可能)
  • 25万円以上:制作会社(戦略提案・PM・運用込み)

多くのBtoB SaaSスタートアップにとっての現実解は、「主力LPは特化型フリーランス、派生LPはスキルマーケット」のハイブリッド運用です。スキルマーケットは1社契約ではなく、複数のクリエイターと取引履歴を作っておくと、案件ごとに最適なパートナーを選べるようになります。

「結局どこに頼むべきか」で迷う時間は、本業のマーケ業務にとっての機会損失です。まずは取引完了まで支払い保留されるココナラのWeb制作カテゴリで、3〜5名のクリエイターに事前相談だけ送ってみてください。動きながら判断軸が固まります。

本記事は2026年5月8日時点の情報です。料金・サービス内容は変更される可能性があるため、最終的な発注時には公式ページの最新情報をご確認ください。